陸上自衛隊から社内SEに転職した男性の体験談

性別
年齢 23歳
社内SE歴 2年

持っている資格
情報技術検定     2級
パソコン利用技術検定 2級
計算技術検定     2級
ITパスポート(旧 初級システムアドミニストレータ)

働いている企業の業種
SE(Webアプリケーション開発)

元陸上自衛官でも社内SEになれた!?

まずは、筆者が社内SEになった経緯を紹介します。
見出しでお察しの通り、筆者の前職は陸上自衛官です。
筆者の所属していた部隊の仕事は演習が主であったため、戦車を操縦したり銃を背負って山中を駆けずり回ったりとITとはまったく関係のない職業に就いていました。

入隊から2年後、家族や同僚の反対を押し切ってインターネットリサーチを主力とした当時創立3年のベンチャー企業に転職しました。
では筆者がなぜ社内SEになれたのか…。それを下記にストーリー立てで書きます。

転職したベンチャー企業では当初SEではなく、Webアンケートのディレクターとして採用されました。
入社3か月目のある日、会議室に呼び出しを受けて「ついに戦力外通告をうけるのか…」と重い足取りで出向いたことを記憶しています。
会議室には案の上、役員以上の経営陣が列席しており、室内は重苦しい雰囲気でした。

社長 「筆者くん、今の会社の状況ではアンケート結果のデータベースを集計できていないんだよ。あとね、HPの制作も外注するとコストがかさむし、固定化した作業をマクロとかシステムを作って業務改善したいんだよねー。」

筆者 「………。」

この話は、「あなたを解雇するのも仕方ない」ということを悟らせようとしているんだろうな。
そう思うと一言も発することができませんでした。

社長 「…ということで、来月から社内SEのチームを立ち上げたいんだけど、前職SEは少ないし、今から求人出しても納期に間に合わないから情報学科を卒業した人をメンバーに加えたいと思っているんだ。
アンケート事業部から異動してくれるよね?」

ビックチャンス到来!!
その場で承諾し、筆者の社内SE人生がスタートしました。

失敗した勉強法

前述の提案を受けてルンルン気分の筆者は、忘れかけていた知識や技術を取り戻すため、自主的にプログラミングの復習を始めました。

プログラミングを学べる場は、専門学校やパソコンスクール以外にも自治体が開催している講演会や現役SEの有志が集って共同運営している研修会、自宅で書籍やWebサイトで独学するなど方法はいくらでもあります。

コストを抑えたいという想いから、独学をする決意をしました。
古書店で書籍を購入、Webサイトで情報を収集するといったアクションを起こしましたが、筆者はここで大きなミスをここでおかすことになるのです。独学を考えている方はよく注意してください。

筆者が見事に以下のような独学の落とし穴にハマってしまいました。

1、情報が古かった

書籍での勉強をするうえで注意して頂きたいのが、初版年月日です。
ITの世界は日々進化を遂げています。環境に左右されることなく動作できるように仕様変更が重ねられたり、コード記述の簡略化されたりとさまざまな改善がなされています。

筆者はそのことを認知しておきながら貧乏精神を遺憾なく発揮し、100~500円ほどで古い書籍を購入していました。
また、SEに転身を遂げた方のブログで紹介しているサイトが古いケースもあり、一度覚えた記述や関数を最新の仕様に覚えなおすといった無駄な労力と時間を費やしました。

2、気分で勉強する言語を変えた

学生時代にBASIC、C言語、HTML、SQL、Javaを学んだため、5教科の授業のように同時進行で勉強をしました。
切り替えるタイミングは飽きたら別の言語にするという曖昧な基準だったので、しだいに頭の中の整理が追い付かなくなり、コードをごっちゃに覚えるという混乱を招く原因になりました。

業務内容

社内SEとひとくちに言っても企業の事業形態やコスト対策で求められるメインの業務が異なってきます。
大きくは下記のようなタイプに分類されると思います。

  1. 「パソコンのことなら何でもお任せ!!」トラブルシュータータイプ
  2.   「自社向けのシステム・ネットワークを開発・運用・保守」職人タイプ
  3. 「業務改善・現場監督」マネージャータイプ

皆さんが想像する社内SEは2のタイプが多いと思われますが、筆者の場合は1と3)を合体したようなタイプ。
パソコンの発注や自作、修理からスポット案件の作業なども対応しました。

「いついつ新人が入社するからパソコンの設定しといて」
「新しいパソコンが○台必要なんだけどー自作できるよね?明日までに見積書出せないかな?」
「筆者くん。私のパソコンおかしくなっちゃったから見てくれない?」
このような上司からの指示は現場で頻繁にあります。
このような対応も社内SEの業務のひとつでした。

また、LANケーブルの増設やサーバの点検も行うので、新入社員によく用務員のお兄さんだと勘違いされて蛍光灯交換のお願いをされることもありました。

無茶ブリの嵐

自社内で開発するメリットとしては、要件を聞かなければいけない相手が自社内の上司や同僚なので、緊張することなく意見交換ができ、納期調整や課題の報告もしやすい環境で開発できることが挙げられます。
ところが、それは相手にとっても同じこと
開発手法は自ずとアジャイル型・スパイラル型になりがちです。
そのため、たびたび待ち受ける悲劇にぶつかることがありました。

  • 3ヶ月でパートのおばちゃんたちをWeb画面制作できるように教育して
  • 明日お客さんがくるから設計書の内容を事務員さんが説明できるようにMTG資料作って
  • 納期はそのままで処理内容を8割仕様変更して

営業と作業員、店長とバイトのように一般社員と社内SEの間にも相容れぬことがあります。

上記のような無理難題を「明日の昼、ラーメン食べにいかない?」というノリで頼まれるので、それに合わせて残業時間が発生したり、非常勤のシフトを組みなおすこともしました。

立ちはだかる日本語の壁

筆者が在籍していたような職場環境では、社内SEはパソコン関連のことはなんでもできる人、という間違った先入観をもってスキル以上の仕事を依頼する上司や同僚がいます。

いかに専門性の強い用語や表現を避けて具体的なプランを提示できるか、希望を実現するためにかかるコストや工数の根拠を説明する機会も出てきます。
設計の段階で顧客からより詳しく要件を聞く、難しいなら納期調整や代替え案で妥協してもらえるように説得するのが社内SEでも大きな課題となるのではないでしょうか。

筆者自身学生時代は国語が大嫌いで、図書館・図書室には足を踏み入れたことがないほどでしたが、以上のことを踏まえると社内SEに必要な知識は決して理数だけでないことがわかると思います。

上司から言われて傷ついた…

どこの職場でもストレスは避けられないのではないでしょうか?社内SEという職業はストレスフリーなパラダイスではありません。以下より筆者が言われて大変ショックを受けたエピソードを会話形式で書いてみます。

JavaとJavaScript

JavaとJavaScriptは名前こそ似ていますが、中身や役割は全然違います。このエピソードはそんな誤解が招いた話です。
登場人物は筆者とちょっと短気な営業部長。

営業部長 「筆者くん。Javaできるんだっけ?」
筆者    「はい。」
営業部長 「じゃあ、JavaScriptで画面操作制御する仕事とったから、トライアルの作業パパッとやっちゃって」
筆者        「えっ…(゜-゜)、オレJavaScriptわかないっすよ(-.-)」
営業部長 「なにぃっ!!さっきJavaできるって言ったじゃないかっ(怒)!!俺は君がJavaできるって履歴書に書いているからこの仕事受注してやったんだぞ<(`^´)>!!」
筆者    「申し訳ないんですけど…。JavaとJavascriptって全くの別ものなので…ノーマークです(・・;)。」
営業部長 「もういい、先方に謝ってなかったことにしてもらう!!
そもそもJavaScriptできないなら履歴書の習得技能にJavaって書いてんじゃねー」
筆者    (゜゜)グサッ
営業部長 「社内SEだから任せようと思ったのに。これじゃあ一般事務員と同じだな。」
筆者    (゜゜)グサグサ
営業部長 「もう頼まない!!名ばかりの君よりパートのおばちゃんにやらせたほうがマシだ!!失礼する」
筆者    (゜゜)グサグサグサ

ある程度社内SEという仕事に誇りを持っていたことと、出世したい意識が強かったことからとても傷つきました。
さらに、自分のスキル不足と説明能力の低さを身に染みて実感した1シーンでした。

お絵描きですか?いいえ…設計です。

この話の登場人物は筆者と筆者がディレクター時代お世話になった当時研修担当のお姉さん(話中では旧担当と書きます)です。
まず状況を簡単に説明しますと、自社が開催するイベントのHPを筆者が制作し、旧担当が運営事務局の舵を切る役割をしていて2人で集客目標を達成できるようにHPの広告やバナーを考える場で事件は起きました。

旧担当 「筆者くんHPできた?」
筆者  「まだ設計の段階なので、まだ画面できてないっす。」
旧担当 「えっ、まだなの(゜-゜)?1日あればできると思ってたんだけど?」
筆者     「うん。」
旧担当 「うんじゃないでしょ。いままで何してたの?。」
筆者   「設計書を作ってました…」
旧担当 「へー設計書も作るんだね…見せてー」

旧担当に見せてみると、顔つきが徐々に曇っていき、直感で「あっ…やばい、これ怒られる予兆だ」と危機を感じた筆者どんな質問が飛んでくるのかを予想して脳内を守備体制に切り替えました。

旧担当 「あのさーこれ、ホントに必要かな?無駄な労力としか思わないんだけど」
筆者  (゜゜;)キョトン
旧担当 「SEの人たちかっこいいと思ってたけど、お絵描きして設計だって言うなんて…幻滅しちゃうな。
筆者  (゜<>゜)グェッ!!

皆さんはフローチャートやUMLといったプログラムの設計図をご存知ですか?
社内SEでも納期に余裕がある場合や依頼内容に詳細なビジョンがあったり、初めて頼むから不安があるという方に向けてはカッチリと設計書を作成して面談したりすることもあります。

一般の視点から見れば単なる図形や記号の組み合わせかも知れませんがあるのとないのとでは実装に後々響いてきます。社内SEはコーディングをするよりも設計やテストケースの決定といった作業にもあたります。
コーディングだけでなくUMLの書き方も身に着けることをおススメします。

これぞサクセスッ!!

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いままでは堅苦しいことや闇の部分を書きましたが、社内SEにはいいこともたくさんあります。
パソコン操作が苦手な人に向けてマクロを作って配布したり、相談を受けて作ったプログラムが業務改善や利益に直結したりすると、会社の英雄になってボーナスをはずんでもらえることも。

「これ作れるなんてスゴイですね!!」、「君のおかげで毎月赤字だったのに、今月やっと黒字にのせれたよ」と褒められるとやってよかったなとつくづく思います。
特に若い女性に「これ作ったの○○さんなんですか―?かっこいいです」なんて声をかけてもらうといっそうモチベーションが上がりますよね?
このように普段顔を合わせているような周りの社員から褒めてもらったり喜んでもらえるのが社内SEの醍醐味です。

このときの経験と実績を買われて筆者は現在、某大手IT企業のグループ会社でWebアプリケーションの開発をしています。
俸給も以前よりアップし、経済的にも満足できる生活を送っています。

一度SEを志して挫折を経験した方、これからなろうと考えている方は決して夢を諦めないでください。
どのようなルートを辿っても実現できれば誇りある仕事に就くことができます。
筆者の文章を少しでも皆さんの検討材料として活用してもらえれば幸いです。
長々とお付き合いただき、ありがとうございました。

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