建設関係の社内SEの男性の体験談

性別
年齢 39歳
社内SE歴 10年

持っている資格
基本情報技術者、応用情報技術者

働いている企業の業種
建設関係

はじめに

私は現役で社内SEの仕事をしていますが、学生の時は別の分野を勉強していましたし、最初から目指してなった訳ではありません。
社内SEになるまでの経緯や、社内SEになってみてその実情を自分の経験を通してご紹介したいと思いますので、是非ご参考にして頂ければ幸いです。

社内SEになった経緯

私の場合、1度の転職を経て今の社内SEの職種に就きました。

元々の専門は電子科で、新卒としては電子機器の生産技術部門に就職しました。
情報処理を専門に勉強してはいない訳ですが、パソコンは好きで趣味でパーツから自作でパソコンを組み立てたり、最初に入った会社ではエクセルのマクロやVBでプログラムを組んだりして、仕事の能率を上げるツールを作ったりもしていました。

最初の会社に入社して3年目に入ったときのことでした。その会社は県外だったのですが、急遽地元に帰らなければならなくなり、転職活動を始めました。その時に家族ぐるみで仲良くさせて頂いていた方が地元のある会社の採用担当の方で、うちに来ないかと声をかけて下さいました。
ちょうど社内SEを探されていて、私も仕事の内容に興味がありすぐに返事をさせてもらいました。

情報処理系を専門に勉強し社内SEになるのが一般的かもしれませんが、全くの畑違いから好きこそものの上手なれで今の職種に付きました。
好きであれば、そして興味があれば分野が違っても社内SEになれます。

業務1.日常業務

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私の勤めている会社は社員約500名に、パソコンは部内共有パソコンも含めて約600台です。
私の所属する情報システム部門は珍しいケースですが、課長と私のたった2名です。
聞くところによると社員数に対して最低1%は居るのが一般的のようですので、5名は必要なところです。そんな少ない人数でもこれだけの仕事内容があるということで、読んで頂ければと思います。

日常業務としては、パソコンの不調やシステムの不具合、機器の使い方などの問い合わせがまず挙げられます。
パソコンの不調となれば電話対応で治る場合もありますが、症状が重かったり電話の相手がパソコンに不慣れな方であれば、症状を聞いても伝わらないことが多いため、その時は現場まで行って、実際に症状を診ることになります。

パーツの故障であれば保証期間内の場合、メーカに問い合わせて修理してもらいますが、保証期間外の場合は自分でパーツを近くのパソコンショップで買ってきて修理します。自分で修理できるレベルでなければ新しいパソコンを発注します。パソコンがないと仕事にならないと言われる方がほとんどですので、新しいパソコンが来るまでの間、古いパソコンを代替パソコンとして渡すこともあります。

当社の場合5年に一度パソコンを交換しているので、毎年同じ時期に100台程度のパソコンを交換しています。
5年経っているパソコンをリストアップし、デスクトップやノートなどのパソコンタイプを調べ、購入台数を計上し見積りを取ります。見積りが出たら会社に予算申請をして申請の認可が下りたら発注します。2週間~3週間後、パソコンが納品されたら1台1台セットアップします。
各部門でインストールするソフトが違うので、部門に合ったセットアップを行い配布します。

春には新入社員が入り、中途採用の方も時期問わず入社しますが、この時も新しいパソコンの準備をします。ノートパソコンがいいのか、デスクトップパソコンがいいのか、3DCADが使えるレベルのハイスペックパソコンがいいのか、出張にも便利なモバイルサイズのノートがいいのか、配属先の所属長と相談し発注します。

日常業務としてはこのようなパソコン関係の問い合わせや、パソコンの更新、新規発注が主になります。

業務2.管理業務

情報システム部門では、社内で使うIT関係のものを全て管理しなければなりません。

まず社内ネットワークは監視モニタを導入し、サーバやスイッチ、支店のルータなどを監視していますので、機器自体が壊れたりLAN線が断線したらすぐに発見できるようにしてます。
何かあれば社内SEの出番です。

長期出張に出る人にはデータ通信カードやWiFiルータを渡して、無線で社内LANへアクセスできる環境を提供します。データ通信カードやWiFiルータの貸出し管理はもちろん、使用時のIDやパスワードも管理します。貸出期間を事前に申請してもらっているので、期限が過ぎれば返却催促の問い合わせもします。

また建物の出入口のセキュリティやパソコンのログインに使用している電子社員証の新規発行や、紛失時には再発行を行います。

社内システムに使用する、社員マスタや部門マスタなどを始めとしたデータベースのマスタ管理もあります。
人事発令や組織改正があればマスタの変更が必要になります。その時にはメールやスケジュールに使用している、グループウェアのメンテナンスも行います。

会社支給のスマホを所有している人には、出張先でスマホのテザリングを使用して社内LANへアクセスできるように、スマホにソフトのインストールと設定をします。その時に使用するユーザIDとパスワードも管理しなければなりません。

IT機器・システムが増えれば増えるほどこれらの管理業務は増えるので、それを減らす努力をするのも社内SEの仕事の一つです。

業務3.システム開発

社内で使うWebシステムは汎用品が使えるものは市販のソフトウェアを使いますが、その会社に合った独自のものでないといけない場合は社内開発をします。その時は社内SEが作成しなければなりません。

例えばメールやスケジュールソフト、勤怠は汎用品でいいので市販のグループウェアを導入しています。
しかし基幹システムや経理システム、旅費精算は会社特有の規程に基づくので、社内開発しています。

また購入しなくても簡単に作成できるものも社内開発します。内線電話や会社配布の携帯の電話帳や、組合のホームページ、部門ごとのホームページ、情報システム部門で使うパソコンの管理簿、固定資産管理簿などは社内開発しました。
そして老朽化したシステムの再構築も行います。
7、8年経つと使いにくくなってくるので、現状に合わせてシステムを見直します。

新しいシステムを開発したり、老朽化したシステムをリプレースしたら、全社連絡をしなければなりません。使いやすく便利になることが目的ですが、社員の中には使い方が変わることを嫌がる方もいるので、そのような方に理解を求めるような文章で連絡する力も問われます。

市販のシステムを導入する際には、業者を選ばなければなりません。
入社してすぐ任されることはまずありませんが、将来的には業者の選定をすることも仕事の一つになります。何を基準に業者を選ぶのか、先輩のやり方を良くみておきましょう。

業務4.社内教育

新入社員が入社したら、メールやスケジュールや勤怠、旅費精算システムなどの主要システムの使い方から、セキュリティ教育、メールのマナーなどの指導をします。また少しでも問い合わせが減るように、簡単なパソコントラブルの対処方法も説明するようにしています。

問い合わせや負担を減らすという意味では、当社の場合各部門にIT担当者を任命し、部門内の簡単なトラブルを対応してもらったり、情報システム部門との窓口となってもらっています。

そのためには、きちんとIT担当者に教育をしなければなりません。IT担当者の講習を行うことでIT担当者で対応できることは対応してもらい、問い合わせ件数を減らすことができています。

また近年迷惑メールやウィルス添付メールが急増していますが、見覚えのない送信元からのメールや内容が明らかにぎこちないメールは開かない、添付ファイルが実行ファイルの場合は疑う、ということを社内に周知するのも社内SEの仕事の一つです。

業務5.イレギュラーな業務

全国にある支店と閉じられた社内ネットワーク環境を構築していますが、新しく支店ができたり逆になくなったりすれば契約を変更しなくてはいけません。回線業者との連携でルータ等の機器の設置、又は回収を行います。

支店の人数の大幅な増減によっては、ネットワーク回線速度の見直しを行うこともあります。実施が決まればルータの交換を伴うことがあるので、交換作業に立会に直接支店に行くこともあります。

また、コスト削減のため支店を移転することもあります。
その時には回線の契約だけでなく、移転先でのLAN線敷設作業やPCの設置も社内SEが行います。

ただし付き合いのある会社にお話しを聞くと、LAN線敷設作業は業者に頼むケースが多いようです。LANケーブルとコネクタと工具があれば好きな長さのLAN線を作ることができるので、当社では業者に頼まず自分たちで対応しています。一般的ではないかもしれませんが、このようなことも任されるかもしれないことを知っておくだけでいいと思います。

社内SEに必要な資格

社内SEの場合、情報処理技術者試験という経済産業省が行う国家試験を取得するのが一般的です。
旧報処理2種に相当する基本情報技術者試験は、取得しておくと採用されやすいと思います。

旧情報処理1種に相当する応用情報技術者試験は実務経験がなければかなり難しいので、経験無しから社内SEを考えている方は入社してから十分な経験を積んで取得に励んで下さい。

社内SEは対外的な仕事ではないため、当社でもそうですが応用情報技術者試験以上の難易度になるスペシャリスト系の資格は必要とされない場合が多いです。
趣味で取るのは別ですが、資格取得で給与アップを考えている方は、資格取得支給に関する会社規程を確認して取得しましょう。

私の場合、基本・応用情報技術者試験は取得し給与アップしましたが、それ以上の高度試験は資格取得支給に関する規程にないので頑張って取るつもりはありません。趣味でネットワークスペシャリストを受けてはみましたが見事に惨敗でした。勉強時間もかなり必要ですが、試験自体も丸一日行われるため、想像するだけで簡単に受けようという気にはなりません。また気が向いた時に受けます。

待遇

給与は社内SEの場合、他の社員と同じなので給与だけみるとSEの方がいいのではないでしょうか。

残業に関してはお客さん相手の仕事ではなく納期や期限が厳しくないので、他の業種に比べて少ない方だと思います。同じ理由で、有給も比較的取りやすいです。
もちろん会社で差はあるはずですので、あくまで当社の場合ということで参考までにしておいて下さい。

他社の社内SEとの比較

これまで「当社の場合・・」、「当社の場合・・」と幾度となく言ってきましたが、2人でこれだけの業務をこなすのはまれな会社だと思います。実際、社外の方からはこの規模でたった2人?とか、2人でそんなことまでしているのか、などと驚かれます。

一般的にはパソコンやサーバなどのハードウェア担当、システム開発などのソフトウェア担当、ネットワーク担当、問い合わせを取りまとめるオペレータ担当、など狭い専門分野に分けられるという話を聞きました。
紹介した業務全てをこなさないといけないという訳ではないので、ご安心下さい。

2人でこなせるのも他部門からの言いなりにならないように気をつけているからです。
システム一つ依頼があっても、本当に必要なシステムなのかということをかなり問い詰めてプレゼンしてもらいます。
そうやって厳しい審査を通った案件のシステムだけを作っていますが、それでもいつの間にか使われくなっているシステムは山ほどあるので寂しい限りです。

言われること全て引き受けていたのでは、とてもこなせません。あなたが社内SEになって権限のある立場になったら、社内的に力のある部門にして他の社内SEの人たちの負担を減らしてあげて下さい。

社内SEの仕事をしていて良かったと思うこと

社内SEとして入社しハードウェアの担当になれば、パソコンに詳しくなり修理ができるようになります。社内からも頼られる存在になり、直してあげると感謝の言葉を頂けます。
パソコンの知識はプライベートでも活かせることができるので、近所の人や知り合いの人にパソコンについてのアドバイスや調子が悪かったら修理もしてあげられます。頼られるとやはり嬉しいものですし、社内SEの仕事をやっていて良かったなと思うことは多いです。

また、手に職を付けることができるので、パソコンやインターネットがないと仕事にならないこのご時世、職には困りません。情報システム部門の人が少なければ少ないほどIT関係のことを何でもやることになるので、幅広く知識を身につけることができます。

社内SEに向いているのはこんな人

まずあたりまえのことですが、パソコンを使うことが好きでないと務まりません。
そしてパソコンのことなら何でもやらないといけないつもりでいて下さい。

パソコンを触るのは好きだけどプログラミングは好きじゃないからハードウェア担当だけやりたい、と思っていても希望が通るとは限りません。ソフトウェア担当が少なかったらそちらを任されますし、急ぎでシステムを構築しないといけないといった状況になればフォローすることもあります。

ハードウェアだけをやりたいという人はハードウェアメーカーを、ソフトウェアだけをやりたいという人はシステム会社を、ネットワークだけをやりたいという人はネットワークサービス会社を選んだ方が、その専門分野に特化した仕事ができます。
そうではなくIT関係のことなら幅広く何でもやりたいという人には、社内SEが一番ぴったりな仕事だと思います。

また社内の人と接する機会が多いので話しをするのが好きな人、人見知りをしない人は尚社内SEの仕事を楽しめると思います。

社内SEを考えている人へ

業務の項でもご紹介したとおり、仕事の内容は実に多岐にわたります。社内SEを考えているということは、少なからずパソコンを扱うことが好きなはずだと思います。それだけで入り口としては充分です。

社内SE仲間が一人でも増えるように、私は陰ながら応援しています。

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